2012年7月4日水曜日

媒介業者が、賃貸物件の差押登記の調査を怠ったたっめ、損害賠償を命じられた事例

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日本の不動産トラブル!

今回のお話は、バリ島でもよく御座います。

差し押さえ・抵当権の付いている物件は、要注意!(^^♪

《東京地裁・判決平成4・4・16  判例時報1428号107項》

1、紛争の内容 

① 昭和63年9月下旬、ラーメン屋を開業する為店舗を借りたいという客Aが媒介業者Bの事務所を訪れた。

② 媒介業者Bは、手元に元付業者Dから入手したビルの中にある賃貸店舗(月額賃料7万円)の広告の資料があったので、これを借主Aに紹介し、元付業者Dに物件の案内をさせた。

Aはこの物件を気に入り、契約の日取りを同年10月15日と取り決めた。

③ 契約の当日、貸主Cと名乗る男が媒介業者Bの事務所に現れ、元付業者Dが急遽これなくなったと言うことだった。

④ 媒介業者Bは、自分で登記の調査をしていなかったにもかかわらず、重要事項説明を作成して、借主Aに交付した。

期間を2年とする賃貸借契約が締結され、Bは媒介報酬7万円を受領した。借主Aは、店舗の引渡しを受け、ラーメン屋を開業した。

⑤ ところが、当該ビルは、競売開始決定による差押登記が本件契約締結前になされていたことが後日判明した。

⑥ また、貸主Cを名乗っていた男が、実は元付業者Dの従業員であったことも分かった。

⑦ 結局、借主Aは、裁判所から引渡し命令を受け平成2年11月10日に当該店舗を明け渡した。

⑧ このために借主Aは、このような事実を知っていれば契約しなかったとして、媒介業者Bに対して債務不履行による損害賠償請求皇祖訴訟を提起した。

2、各当事者の言い分

【借主Aの言い分】

媒介業者Bは、目的物件について、登記簿を閲覧する等して取引の障害の有無を調査確認し、依頼者に説明する義務があるにもかかわらず、この義務を怠り、Aに損害を被らせた。

【媒介業者Bの言い分】

①当該ビルの登記簿を調査して権利関係等を確認する間もかいままに、重要事項説明書を作成し媒介をしたものであ   って、差し押さえ登記がなされていることは全く知らなかったし、このような状況下にあっては、そのことに過失はない。

②また、借主Aは、本件賃貸契約に基づいて、当該店舗を約定の賃貸期間である2年以上にわたって使用したのであるから、債務不履行責任を負うべき理由はない。

4、本事例の問題点

媒介業者Bは、依頼者に対し不測の損害を被らせないような配慮がなされていたかどうか。

①自分で調査をしていないにもかかわらず重要事項説明書を作成し交付した事

②借主Cと自称するものとは一見の面識も無く、その確認をしなかった事

5、本事例の結末

裁判所は、媒介業者Bに調査義務違反があったとして、借主Aの内装工事費用等約387万円の損害賠償請求を認めた。

①業者が不動産の賃貸借の媒介をするに当たっては、善良なる管理者の注意をもって媒介を行って、賃貸借契約が支障なく履行され依頼者がその契約の目的を達し得るように配慮すべき義務を負う。

②本件のように、目的不動産について差押登記がなされているときは、当該賃貸借契約が競売により買受人に対抗することができなくなって、賃借人が明け渡しを余儀なくされることが容易に予想されるのであるから、Bは、貸主Cに確認するのはもとより、登記簿を閲覧する等して差押登記の有無を確認し、借主Aに不測の損害を被らせないように配慮すべき義務がある。

③また、契約の当日において元付業者の立会いが急遽不能となった為、Bとは面識の無い貸主が立ち会うという不自然な経過や、Bは、自分で登記簿の調査をしていないにもかかわらず重要事項説明書を作成し交付した等の状況に照らすと、Bとしては契約の締結を後日に延期する等して慎重を期すべきであって、貸主Cを自称する一見の男の言葉を安易に信用したことはいかにも軽率との非難を免れず、宅建業者としての義務を十分に尽くしたものとは言えない

従って、媒介業者Bは、媒介業者としての調査義務違反があったとして、Aの被った損害を賠償すべきである、と判示した。


以上 宅地建物取引主任者講習テキストより・・・


こんなけ写すの疲れました・・・ふぅ~

要するに、物件調査を自分でしていない
契約前に新しい謄本を取っていない
代理人が来たときに、身分証明書で確認していない

当たり前の事をしていない最悪ですね・・・・

きっちりとした不動産屋選びが大切ですね


以上 レポーター 宅地建物取引主任者 心斎橋次郎でした。




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